日本刀をありのまま撮る

日本刀の鑑賞が普及していった要因の一つとして、写真の技術の発展は大きいと思います。その中でもカラー写真の威力はすばらしく、日本刀の美しさをより魅力的に伝えることができます。

一般的に日本刀の掲載されている本を見ると、表の全身や切っ先の部分、茎の三枚の写真によって説明されているものがほとんどだと思います。フォーマットを統一することによって、さまざまな日本刀を比較して見られるというメリットがあります。しかし、一般の人が見ると、同じような写真が続いてしまい、単調な本と思われてしまい、内容まで見ようとは思われないと感じます。日本刀によっては、刀身の中央部分にある華やかな刃文が特徴的で一番の見所なものもあります。ですが、フォーマットを統一するために、その特徴的な部分がカットされてしまい、その日本刀の魅力がまったく伝わらない場合もあるのです。そのように考えられ、日本刀によって、それぞれの特色の一番わかりやすい部分の写真を掲載している、ユニークな本もあります。

日本刀を印刷する上で画像を見て、なんて綺麗な日本刀と心を引き込まないと日本刀本来の魅力が伝わっておらず、画像にする意味はあまりないと思います。特に、マルテンサイトの結晶体である沸と匂は、写真では明瞭にとらえることが難しいと思います。そのため、ある本では、日本刀のもっとも注目するべき部分を二倍ほど大きさに拡大して撮ることによって、沸と匂、地肌の文様の美しさを伝えることができていると思います。

また、写真を本やパネルにする際に、印刷するまでにいくつかの工程を通らなければ行けないので、何十パーセントかは、本来の日本刀より鮮明さが落ちていると考えられます。そのため、次は印刷技術やコンピュータの発達を期待したいです。

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