日本刀コレクターのアメリカ人

アメリカ人のある博士は、日本刀の世界的なコレクターとして有名です。その博士がコレクションした日本刀は、五百をゆうに超えると聞いたことがあります。その博士がコレクションをしていたのは、主に日本との開戦中で日本からの日本刀に関する資料が入手できず、アメリカにある数少ない書類と博士のコレクションを見比べて、その日本刀が良いか悪いかを判断していたということです。そのなかには、国宝と呼ばれるクラスの日本刀から、特に名も無く大量生産されている粗末な日本刀もあるとのことでした。

また、博士は世界の刀剣もコレクションしていて、インドの古代の刀剣であるダマスト刀もあります。ダマスト刀は、インドの伝統的なダマスト文様がとても綺麗な刀剣です。ペルシャのある詩人は、ダマスト刀のことを押し寄せてくる波が太陽によってキラキラ輝くように見えて、しかも表面は風によって波紋が生まれる池だと詠っています。しかし、その博士が言うには、日本刀の方がはるかに美しく、世界中の刀剣で日本刀が最高に美しいとのことです。

その博士について、忘れてはならない宝刀に関するエピソードがあります。戦後、ある宝刀は神社から持ち出されアメリカに渡り、骨董屋の店頭に並べられたそうです。その博士は、その宝刀を一目見るなり、名刀の持つ独特の風格に感激し、購入して調査したそうです。博士は、その刀を国宝級の刀だと感じ、日本の文化庁に送り精密な調査を依頼したそうです。そして、宝刀だということがわかると、博士は「名刀には置かれるべき場所があり、個人が所有するような日本刀ではない」と言い、日本の博物館に贈呈したそうです。これは、博士が日本刀を愛していて、とても熱意のあるコレクターであるということが理解できると思います。