守りとして贈られる刀

ある友人の結婚式の話です。その結婚式は、披露宴を招待された客の前で結婚の誓いをするという少しユニークな結婚式でした。結婚式の式場となる場所を清めるために、最初に居合いと抜刀による剣舞が披露されました。その剣舞は、粛々とした振る舞いで会場の雰囲気が澄みわたるように感じました。そして結婚の誓いの後に、打ちおろしの短刀が刀工から新郎へ渡され、新郎から新婦へ渡されました。つまり、守り刀が贈呈されたのです。昔は、「刀にかけて」や「刀に誓う」という言葉が使われていましたが、結婚式という自分に対して責任を持つような、おごそかな儀式ではとても合っていると感じました。

日本刀最近で言うと、日本の皇族である殿下様がお誕生のときに、人間国宝であったある刀工がお守りの刀を精錬して贈られたと聞いています。他にも、とても昔の話では、姫君を養女として引き取るときに、お守りの大刀と健やかなる成長を祈る人形などが送られたそうです。一見、華やかに彩られた時代であったと伝えられていても、命の危険が周りにあると考えられて不安を孕んでいたので、男子も女子も誕生してからは、大刀などの守り刀を常に身に帯びていたのです。また、武士の時代では世継ぎが誕生した際に、大刀が一番早くに献上されることがありました。これは、家の世継ぎが誕生することで、一族のさらなる繁栄を祈り、その思いを込めて贈られていたものです。

これらのように、儀式やお祝い事のときに、日本刀を贈るという風習は、昔からあったと考えられています。それには、一族の繁栄やお守りとしてなど、それぞれの儀式に合った思いが込められて、贈られていたのだと思います。

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